マスターズも終了し、いよいよ今週から日本の男子ツアーが始まります。マスターズを見ていたら、多くのトッププロのスイング傾向として、昔より手の振り上げが小さくなっている傾向を感じた人も少なくないかもしれません。タイガーにしてもそうですが、ウェストハイゼンとかダフナー、はたまたメイハンなど全体としてスイングがフラットになる傾向があるのは間違いないと思います。トム・ワトソンやカプルスの時代とは違ってきているようです。
ただ、唯一非常にアップライトなスイングだったのは、優勝したババ・ワトソンです。ババのスイングはかなりアップライトなので、昨今の傾向とは違っていますが、どうしてそれでもマスターズに勝てたのか?
マスターズのコースは、一般にドローやフックヒッターに有利なコースと言われます。コースの多くが左に曲がっているのでしょう。しかし、それは右利きの人の話です。左利きの人にとっては、全体としてフェードで攻めるコースで、最終ホールだけはドローが必要なホールということになります。
でもってババはフェードヒッターです。だから、オーガスタナショナルは非常に攻めやすいコースに感じるはずです。皆さんも、大多数の人がスライサーなので、右に曲がっているコースの方が回りやすいと感じるのに似ています。
さて、ババがなぜフェード、或いはスライスヒッターなのかというと、身長が190もあってグラビティプレーンは低い位置にあるはずのババが、手を高く振り上げることでグラビティプレーンよりもかなり鋭角にスイングしているであろうからです。
今回の優勝は、ババがミラクル年齢でのミラクルプレーがあったことが重要な要素ではありますが、スイングとグラビティプレーンの関係からも、ババがこのコースを得意としていることが想像できます。実際彼は過去4回のマスターズで予選落ちは一度もなかったのです。
ところで、ババがドライバーを構えると、なんだかドライバーなのにとても短く見えますよね?多分、ババにとってのドライバは、私たちにとってのクリークくらいの感覚かもしれません。でもって、重さは私たちにとってのレディースのクラブのような軽さを感じて振っているのではないでしょうか。残り200yでも7Iとか、もっと短いクラブだったりすることもあります、それでいてショートゲームも上手だとしたら、この先日本人はどう戦っていけばいいんでしょうね?しかし、今回のマスターズでがんがったウェストハイゼンは身長が178で体重も72kということで、日本人に近い体格であれほどがんばりました。だから、日本人だって、彼のようなボディースイングを身につければ戦えるはずです。確かにババとの飛距離の差はかなりありましたが、ババは特殊なのでそんなことで張り合っても勝ち目はありません。しかし、ルールとして、クラブの長さは、腕の長さを含めた長さとして制限してもらえるとありがたいんですがね〜、まあ、そんなルールは無理でしょうから、やはりしっかりとしたボディースイングしかないようなので、今日もそんなスイングを皆さんにもマスターしていただけることを願いつつ、レッスン公開です・・・
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10度くらいフラットなトップになったAHさんでしたが、セットアップの変化で右足の踏ん張り具合も改善していました。
そして、ダウンでは、以前は頭が左に動いていました、レッスン後は頭が動かなくなっています。これは、骨盤と頭の関係が改善された結果でしょう。また、フラットなトップになったことも影響していると考えられます。
上の写真では、いわゆるタメに変化が出ています。レッスンでは、コックを解かずにローテーションするダウンスイングを説明しますが、こういった変化はその説明だけで出来るものではありません。
実際、コックは解かずに振りぬくと言われても、そんなことしたら当たらない、振り遅れる・・などといった感想を持っている方も少なくないでしょう。どうして不可能だと感じるのかと言うと、今回のAHさんのように手を振り上げているからである人が多いと思います。だから、トップでのグリップの位置をちょっとフラットにするだけでも、リリースの感じというのは変化するので、正しく出来ているか出来ていないかは気にせず、とりあえずいろいろな方法でトップの位置を変化させ、違ったトップがダウンにどう影響するのか?っていうことを研究してみるのも一考です。試してみて下さいね。
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